暮らしの体験施設を考える。初めの一歩〈前編〉

2015-09-15

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直島町の暮らしの体験施設を考える。
はじめの一歩の今回、私たちは海を挟んで”ほぼお隣”の土庄町へ、土庄町島ぐらし体験の家(以下、体験の家)の視察に行ってきました!

体験の家を担当されている土庄町役場企画課の中村友幸さん。まずは見ていただきましょう、と早速現地に案内してくださいました。

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土庄町が体験施設を設置したのは、約2年前。視察させていただいた体験の家は、法務局の出張所にあった職員宿舎をリフォームしたものです。町の中心部からもほど近く、日当りのよい明るい3DKのお部屋でした。
まず、体験の家はどのような方に利用して頂いているのでしょうか。

「お陰さまでたくさんの方に移住のお問い合わせを頂きます。世代、家族構成、お仕事、趣味様々な方がいらっしゃいますが、まずは土庄に来て暮らしを体験して頂かないと、お互い本当の姿は見えてきません。地方の暮らしは、いいところも悪いところもありますし。。。」

特に利用者の条件などは設けず、様々な人に土庄町を体験して頂くようにしているそうです。役場のHPやパンフレットで告知し、なんと約80%の稼働率。

「現在は2部屋ありますが、昨年までは1部屋でした。昨年度は、1年間で17組の利用者があり、その約1/3が実際に移住されました。」

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体験の家に滞在中は、みなさんどのように過ごされるのでしょうか。

「住まいと仕事をセットで探しに来られる方が多いです。また、滞在中に町内にあるハローワークへ行ったり、空き家バンクを利用して家の見学に行ったりされますね。町内のハローワークの出張所には移住担当者が常駐しており、仕事を斡旋しています。その点は恵まれていますね。仕事も、選ばなければないことはない。最近では、オリーブ農園などが営業のスキルを持っている都市部からの移住者を受け入れているという話も聞きます。」

直島にも仕事はあるのですが、ハローワークがないんですよ。と伝えると、何か思いついた様子の中村さん。

「あ!直島町は船の便が多いので、暮らしは直島、仕事は高松や岡山というライフスタイルも考えられそうですね!」

確かに、島外で働くことも今後の選択肢の一つとしては考えられそうです。(因に、私たちはハローワークの代わりに「直島で働く。」のコンテンツをつくりました。少しずつ求人情報も掲載して行きますので、ぜひご覧くださいね!)

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一般的に体験施設と言えば、移住への入り口となる暮らしの体験だけに利用されているように思われますが、土庄町では、移住に向けた様々な段階に応じて柔軟に対応しています。

「移住の準備には様々なステップがあります。土庄町に転入して頂くまで、私たちは可能なお手伝いをしています。その中の一つとして、暮らしの体験から1ステップ進んだ方が、必要に応じて移住の準備の為に体験の家を利用していただく事が出来ます。具体的には、転入前に住宅の工事をしている時などに利用して頂いています。それから、工事と言えば、移住の時に意外とハードルになるのが、水洗化率の低さなんです。笑」

土庄町は水洗化率が5割未満で、汲取式も多く残っており、水まわりの環境や工事が必要になる事も多いとか。(因に直島は、約8割が下水道に接続しています。ただし、空き家の場合は接続をしていない家もあり、その場合は接続費用がかかります。参考まで。)

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ちょっと話題がそれましたが、中村さんから利用者に関していただいたアドバイスで前半を締めくくります。

「直島町では仕事が島外だとそっちに移住してしまうのでは?と思われますか?僕の経験上では、島にアプローチしてくる方は、その島に対するこだわりをお持ちの方が多いです。だから、仮に仕事が島外であっても、家を紹介する事ができれば町内に暮らしてもらえると思うんです。」

確かに。心強いお言葉です!利用者のイメージが出来て来たところで、始めの一歩、前半が終了。
後半では、実際の運営や私たちの提案についてもお話を伺いました。
後編もぜひご覧ください!

2015-09-15 |

 

 

 

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